腹ぺこオオカミはご機嫌ななめ
僕は毎週のように作ってくれるお弁当のお礼に
ウサギにプリンや、ヨーグルトや、アイスを用意したけど、
それじゃあ、お礼として、足りないよな?


ウサギと並んでお弁当を食べながら、
「休みの日に気晴らしにでも出かける?」と聞いてみると、
嬉しそうに顔を赤くして、
「…水族館か遊園地に行きたいです。」と笑顔を見せた。

なるほど。
僕の引き出しにないデートコース。
ここ数年女の子に会うのは
夜の繁華街や、ホテルの中だけだったな。と気がついた。


「僕もずいぶん昔に行ったきりだ。」と笑って、
「他の人も誘いたい?
同じ病棟だと、しおりんは休みの日は一緒にとれないか。
2人きりじゃないほうがいいなら、
仲の良い子を誘っていいよ。」と言うと、
「私は菅原先生はオオカミじゃないって思ってます。」
と強い口調で言った。
いや、断言されても困るけど。
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