腹ぺこオオカミはご機嫌ななめ
ジェットコースターは、久しぶりだけど、すごく楽しい。
「キャーっ」と嬉しくって、大声で叫ぶ。
気持ちいい。
隣をみると、先生は歯を食いしばって、ギュッと目を閉じている。
あれ?
もしかしたら、苦手だった?
ノルマエニ、イッテクダサイ。
ジェットコースターは、登って、降りて、カーブをすごいスピードで回っていく。
先生は声を出せず、目も開けられないみたいだ。
ガタンッと急にコースターが止まって、やっと、溜息と共に目を開いた。
私と目が合う。
眉間にシワを寄せて、
「なに?」と不機嫌な声を出す。
「いいえ、別に」と顔を背け、私が吹き出すと、
「なんか言いたいことがあんのか?」と
私の手をちょっと乱暴に引っ張って、ジェットコースターを降りた。












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