腹ぺこオオカミはご機嫌ななめ
5階の会議室の並ぶ廊下を足音を立てずに歩いて行くと、
急に走ってくる足音が聞こえて、思わず柱の陰に隠れた。
通り過ぎた後ろ姿を覗く。
あの白衣はナースだろうな。
髪はショートカットで、小さくて、細くて、足が速い。
廊下の角を曲がる。
思わず、そっと追いかけると、
消えた。
どこに行った?
非常ドアが立ちはだかる。ドアを押してもビクともしない。
白衣のポケットで、ピッチ(PHS電話)が振動する。
僕の嫌いなアイツの声がする。
「菅原ぁ、救急車くるぞ。早く戻ってこい!」
と大声の尾崎 竜也(おざき たつや)主任医師だ。
通称リュウ。
「了解です。リュウ先生。」と溜息をついて廊下を引き返した。
急に走ってくる足音が聞こえて、思わず柱の陰に隠れた。
通り過ぎた後ろ姿を覗く。
あの白衣はナースだろうな。
髪はショートカットで、小さくて、細くて、足が速い。
廊下の角を曲がる。
思わず、そっと追いかけると、
消えた。
どこに行った?
非常ドアが立ちはだかる。ドアを押してもビクともしない。
白衣のポケットで、ピッチ(PHS電話)が振動する。
僕の嫌いなアイツの声がする。
「菅原ぁ、救急車くるぞ。早く戻ってこい!」
と大声の尾崎 竜也(おざき たつや)主任医師だ。
通称リュウ。
「了解です。リュウ先生。」と溜息をついて廊下を引き返した。