腹ぺこオオカミはご機嫌ななめ
びっくりした。
本当に驚いた。
本当に菅原先生はオオカミだったんだ。
でもゆりちゃんって人は去年の春から、
菅原先生は遊びの相手と付き合っていないって、そう言った。
きっと、奈々さんのためだな。

こんな気持ちで、非常階段には向かえない。
本当はお弁当を一緒に食べようと思って、
菅原先生と待ち合わせたしてたけど。
今日は無理だ。
私はどこに行ったらいいのかわからなくなって、
裏庭に出た。
ベンチに座り込む。


ぼんやりと座って、
どれくらい経ったかわからなくなった時、
私の隣に座る人がいた。
「天野さん。」とハンカチを渡してくれる。
顔を上げると、奈々さんだ。
私は泣いていたんだ。と気づく。奈々さんは
「私はこれからお昼休みなんだけど、一緒に食べよう。」と笑って、
私の手を引いてくれる。
私は素直に立ち上がり、
涙を拭きながら、奈々さんに肩を抱かれ、一緒に歩いた。


< 67 / 185 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop