腹ぺこオオカミはご機嫌ななめ
僕は、ウサギに上に覆いかぶさる。
ガツン!と僕の背中に松葉杖を振り下ろし、そいつは、走って、逃げ出した。
痛い。でも、骨は折れてないだろう。
僕は立ち上がって、トイレから飛び出すと、
そいつは正面玄関に向かって、人を押しのけながら走ってって行く。
正面玄関にはリュウとオヤジが立ちはだかっている、
そいつはでかいリュウを避けて、年寄りの(まだ、50代だけど。)小さいオヤジに向かって行った。
バカめ。
オヤジは武道の達人だ。
オヤジはやすやすとそいつの腕を掴んで後ろに投げ飛ばした。。
なに投げだろう。
僕はあっけにとられる。
でもそいつは上向きに倒れたまま
ポケットから光るナイフのような物を振り回した。
リュウが手を伸ばし、そいつの手首を抑えた。
オヤジがナイフをもぎ取る。
リュウの腕から血が流れている。
切られたか!僕は駆け寄る。リュウは
「イッテエ!オヤジ、ちゃんと、動けないようにしておけよ!」
と怒っている。オヤジは
「リュウ、なんで、右手を出すんだ!仕事ができなくなるだろう!」
と男を押さえつけながら怒鳴る。

…こいつらは馬鹿だ。

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