腹ぺこオオカミはご機嫌ななめ
僕は泣き腫らした目をしたウサギのベットの横に膝をついて、
「ウサギ、僕は君を大切に思ってる。
ウサギがどこかで泣いてるかもしれないと思うと、
落ち着かない。僕は1週間休みをもらったから、
その間はずっと、一緒にいられる。
とりあえず、うちに来ないか?
僕はオオカミって呼ばれているかもしれないけど、
むやみに襲いかかるってわけではないよ。
1週間一緒にいる間は、決して襲わない。誓う。
だから一緒にいて欲しい。
ウサギのそばにいたい。」とゆっくり言って、ウサギの瞳を見つめた。
ウサギは少しずつ、理解したみたいで、ゆっくりと、涙を流した。
僕は彼女の肩に腕を回し、そっと抱き寄せる。
ウサギは僕の胸に額をつけて、なきじゃくった。
よかった。これって、承諾の印かな。
僕は大きく息を吐く。

僕はしっかり、ウサギを抱きしめ、
「これって、ギリギリセーフ?」と奈々ちゃんを振り返ると、
「大目に見てあげましう。」と奈々ちゃんは笑った。


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