腹ぺこオオカミはご機嫌ななめ
先生が起きてきて、ファミレスで朝ごはんを食べる事になった。
起きたての先生は寝癖が可愛い。
無防備な笑顔が好きだって思う。
まあ、はっきり起きてしまうと、
オトナの男の人で、結構意地悪な気がするけど、
私をからかって、見せる笑顔も、好きだと思う。
時折、不機嫌な顔をみせるけど、直ぐに優しい笑顔になるし、
抱きよせる手はとても優しくて、ちっとも怖くない。
このオオカミさんは、なぜか信頼できるのだ。
周りの人達が思ってるほど、私には危険には思えない。

先生に料理はしないのに、お部屋は綺麗にしてるんですね。と言ったら、
「週に1回ハウスクリーニングが来てる。」と照れくさそうに笑った。
「整理整頓は好きだけど、掃除はにがてだ。」と言ったので、
何でも出来る訳じゃあないんだなって思って、少し安心した。


今日の予定は車で買い物に行くことと、
警察の人が先生の部屋に来る事になっている。
本当は警察署に出向くように言われたみたいだけど、
私の事を考えて、長い間、電話で話して、
部屋で話を聞いてもらえる事になったみたいだった。

先生は優しい。
私の心はぎゅっと先生に掴まれたままだ。
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