Bu-KIYOびんぼう ~幼なじみと不器用な約束~
タっくんは、もう教室の外に出ている。

私も後を追いかけた。



「これ」

差し出されたのは、小さなブーケだった。


「かわいい…!」



ピンクの花と黄色い花が揺れてる。



「お花なんて、ピアノの発表会以来だよ」

「あと、新刊」


少し重みのある紙袋が手渡された。


「ありがとう」

「うん」



ブーケを見つめた。

食べ物じゃないところがいい。


嬉しい。



「ごめんな」


タっくんが言った。


「え?」

「余計なことして」



ユリエちゃんのことを言ってるんだ。


「ううん、いいよ」

「あの…練習試合の後…スランプだったみたいで」

「矢倉くん、優しいもんね」
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