Bu-KIYOびんぼう ~幼なじみと不器用な約束~
タっくんが黙り込んだ。


どうしたのかな?



待ってみたけど、何も言わない。




ようやくタっくんが口を開いた。


「修学旅行、誰と回るの?」

「あ、ああ…小島ちゃんが誘ってくれた。だから聖愛ちゃんと三人かな」


タっくんが、ほっとしたように肩を落とした。


「なら、いいけど」



心配してくれたんだ…



「タっくんは?」

「コヤンと、スナ」

「ふふ。楽しそう」



タっくんも笑った。


「じゃあね」

「うん」




―じゃあね―



矢倉くんの『じゃあね』と全然違う。


暖かい『じゃあね』
< 104 / 216 >

この作品をシェア

pagetop