Bu-KIYOびんぼう ~幼なじみと不器用な約束~
「極度の貧血」

と診断された。



お母さんが言った。

「残念だけど…修学旅行のことは考えてみないと…」



え…!

考えてみないとって…



「それって行かないってこと!?」

沙奈が叫んだ。


「口にモノを入れながら、しゃべるんじゃないの」

「行かないなんて、おかしいよ!」

「だって具合が悪いんだから、仕方ないでしょ」


箸を完全に置いた。


「私…行ける…」

「箸を置かない。あなた、全然食べないからそういう事になるの」

「行けるよ…」

「向こうで倒れたらどうするの?お母さん、ついていけないのよ?」



私はお父さんを見た。


お父さんは気の毒そうな顔で私を見た。


「可哀想になぁ…ツイてないなぁ…」



もう、行かないことになってるの…?
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