Bu-KIYOびんぼう ~幼なじみと不器用な約束~
「修学旅行だよ!?行かないなんて変だよ!」

沙奈が騒いでいる。



「体調管理できない人間が、旅行なんか行けるわけありません」

「だけどさぁ…!」

「あなたは関係ない。早く食べなさい」



お父さんが立ち上がった。


「ごちそうさま~」

「ほら、お父さんはもう食べ終わったわよ?」

「修学旅行に行かないなんて…」

沙奈はまだブツブツ言っている。



私は立ち上がって、お父さんを追いかけた。



「こら!まだ食べ終わってないでしょう!?」



廊下でお父さんを捕まえた。



「私、行けるよ…」


お父さんは困ったように眉毛を寄せた。


「お母さんの言うとおりにしな。それに実際、そんな生徒に来られたら…お父さんだって困るな…他の子も楽しめないと思うよ」



お父さんは、高校の先生だ。



何も言えなくなった。



お父さんは、そのまま二階へ上がって行った。
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