Bu-KIYOびんぼう ~幼なじみと不器用な約束~
先生はかまわず私に向かって言った。


「衣装係りだったかもしれないけど、発声練習とか腹筋なんかはやってたろ?先生、嬉しかったんだぞ。

そもそも香田は、筋肉が全くない。そんなんじゃ、腹なんか空くわけないじゃないか。

筋肉がなければ一時的に痩せても、そのうち食べてもないのにデブになるのは常識だぞ。

だいたい、将来…どうすんだ?卵子が作られてなかったら。子供なんか出来ようがない」



お母さんが、先生を遮った。


「先生、聞くに耐えないわ。この子は、小学校の時にイジメを受けていて、それはそれは大変な思いをしたんです」



そんなこと、今さら言わなくても…!


「お母さん、止めて」


「この学校に入れさせたのは、イジメがないと判断したからです。先生ご自身が、そんな物の見方しかできないようでは、事実が歪められてしまうじゃありませんか」
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