Bu-KIYOびんぼう ~幼なじみと不器用な約束~
涙が出た。


どうしていいか分からない。



お母さんに悪いと思った。


死んでいった食べ物にも申し訳ない。


飢え死にする人がいるのも分かってる。



だけど、


分からない。



食べなくちゃと思っても、口に持って行けない。



「泣いたってダメ」

「…ごめんなさい」

「食べなさい」



水を一口飲んだ。


「水ばっかり飲んでる」

沙奈が言った。



「運動が足りてないっていうのは、本当かもしれないなぁ」

お父さんが言った。


「明日の朝から、ウォーキングするわよ…あそこまで言われて…」



ようやく、レタスを口に入れた。


ドレッシング…いらない。



何もいらない。


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