Bu-KIYOびんぼう ~幼なじみと不器用な約束~
昇降口へ出ると、業者さんが既に搬入を始めていた。



小島ちゃんが、テキパキ指示を出す。


「私、3箱持つから、みんな2箱づつね」

「3箱も持てなくないっすか?」

「そんな重くないでしょ」



けっこう重い気がする。

最中だから、落としたら割れちゃうし…


「茶室?」

後ろから声を掛けられた。


タケルくんだ。


「うん」


タケルくんが箱を6つ持ち上げた。


「おお!すごい」

「ありがとう!」



良かった…



自分の分の箱を持ち上げようとしたら、別の手が伸びてきた。



体が固まった。


矢倉くんだ。


「あ…ありがとう」

「うん」


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