Bu-KIYOびんぼう ~幼なじみと不器用な約束~
二日目も無事に終わった。

気だるい騒がしさの中を教室に向かって足早に進んだ。



後夜祭だ~。

今年は、どんなタレントさんが来るのかなぁ?


あ…

矢倉くん。


体が固まる。


だけど、この渡り廊下を通らないと教室に戻れない…。



顔を伏せて通り過ぎようとした。


「キョコ!」


しまった…。

立ち止まっちゃった。

小島ちゃんに『無視しなさい』って言われたのに…



「着替えちゃったんだ」

矢倉くんが近づいてきた。


「う、うん…」

「昨日のユニフォーム、選んでくれたヤツだったんだけど…」

「うん…」

「覚えてる?」

「うん」


バタバタと生徒が駆け抜けて行く。


「え?」って顔をして通り過ぎる。



どうしよう…

変な噂になっちゃう…



「タケルの呼び方変えたんだね」


何の話?


「家族ぐるみで仲がいいって羨ましいな」


どう言っていいか分からない。


「今日もお母さん来てたね…うちの親なんか二日とも来ないし…別にいいけど」
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