Bu-KIYOびんぼう ~幼なじみと不器用な約束~
ユリエちゃんが、矢倉くんを叩き始めた。

「なんなの!?どうして!?」

「別れたい」



息が止まった。


「なんでっっ!?」

ユリエちゃんが絶叫した。



廊下に人が集まってきた。



「別れない!絶対別れない!」


ユリエちゃんは髪を振り乱して、矢倉くんにしがみついた。



「もう付き合えない」

「なんでそんな事言うの!?」

「俺、キョコが好きだって分かった…」

「なんでよ!?キヨコは自分のことなんか好きじゃないって言ってたじゃん!タケルの方がいいって…!」

「もう俺のこと好きじゃなくてもいい!友達からやり直す!」


矢倉くんの声が響き渡った。


「ただ黙って見てるなんて、もうできない!!高等科で外部の男に取られるんのとか想像すんのも無理!」

「そんなに好きなら、なんで私と付き合ったの!?なんで!?なんで優しくしたの!?」



先生たちがやって来た。

「教室に戻りなさい!」

「ホラ、戻って!もう後夜祭始まる!」


周りの生徒を追い立てる。
< 138 / 216 >

この作品をシェア

pagetop