Bu-KIYOびんぼう ~幼なじみと不器用な約束~
先生が言った。

「光野、自分の問題は自分で解決しろと言ったろ。他人に押し付けるな」


ユリエちゃんは、ムッとしたように先生を見たけど、すぐに私に視線を移した。

「その人だって、自分の問題を自分で解決できてないんじゃないですか」

「だけど、人に押し付けてはいないだろ」

「なんなの?私ばっかり…ほんとムカつくんだけど!」

「お前、他人にムカついてる場合か?腹が立ったら、一周でも多く校庭走れ」


ユリエちゃんはカバンを抱え込むと、足音高く教室を出て行った。

見物客も急に興味を失って、教室を出て行く。


先生がうなった。

「香田・・・お前は、すぐに後ろへ回り込むな」

「すみません」

「悪いことしてるわけじゃないんだから、堂々としてろ」

「すみません」

「光野な、今スランプなんだとよ」

私は顔を上げた。


「どっか通ってんだろ?テニススクール。最近、コーチが相手してくれねーんだと」


そんな…2時間もかけて通ってるのに。


「オトコが出来ちゃなー」

独り言のように先生が洩らした。


驚いて、思わず聞いた。

「彼氏がいちゃダメなんですか?」



先生は困ったような顔をして、その後急に怒ったように私を見た。

「お前、何で俺について来んだ?カルガモか」


今度は私が困った顔をする番だ。

先生に行かれたら、困る。

だけど…あれ?どうするつもり?

でも…
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