Bu-KIYOびんぼう ~幼なじみと不器用な約束~
沙奈が部屋に入って来た。


「うるさいよ」


二人が息をついた。


「僕、もう寝る」

「…離婚してちょうだい」

「なんで、そんな話になる!?」

「ずっと考えてたの。自分が悪かったことは分かってる。だけど、どうして自分がこうなったかって考えて見たら…」



沙奈が言った。

「お姉ちゃん、死ぬの?」


お母さんが目を剥いた。

「死なない!絶対、死なせない!親より先に死ぬなんて、地獄に落ちるんだから!それを私は毎回清子にも言い聞かせてる!あの子は分かってるはず!」


「ひんひん…」と、かすれたような声で鳴くチャイを沙奈が抱き上げた。

「お母さん、すぐそうやって言うけど、お姉ちゃんはもう十分地獄だと思うよ」
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