Bu-KIYOびんぼう ~幼なじみと不器用な約束~

最後の切り札

いじめの問題が片付いた後、私はもう受験する気持ちがなくなっていた。


だけど受験したくないって言い出せない。


だってお母さんは、正賢学園に賭けていた。

近隣中の学校を探し回って、いじめの問題に真剣に取り組んでいる学校を見つけてきた。


「ここは大丈夫よ。卒業生に聞いても、いじめはなかったって皆言ってるもの」



食事の品数が増えてきたのもこの頃。


でもお母さん自身は、ほとんど食べないの。

太ってることを気にしてるんだと思う。



お父さんと沙奈はスマートだからなぁ。

うちのお父さんは、すごく若く見える。やせてるし、顔も小さいし、身のこなしも軽い。

沙奈が「絶対、見た目で選んで結婚したよね~」って、いつも言ってる。



本当に軽い気持ちで、縄を買った。


軽い気持ちで遺書を書いて、

書いたらもう、すっかりその気になって、


和室で首を吊った。

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