Bu-KIYOびんぼう ~幼なじみと不器用な約束~
自分が不器用だってことをすっかり忘れていた。

気が付いたら、顔から畳に叩きつけられていた。


ものすごい物音に、臆病なチャイが狂ったように鳴きわめいた。



咳が出た。

首が寝違えたみたいに痛んだ。



うめき声を上げてたら、誰かが入ってくる気配がして、

いつの間にか、タケルくんが私を抱き起こしていた。



あの時の目…忘れられない。



「今、キヨに死なれたら俺、立ち直れない!!」


どうしていいか分からなくて、私はタケルくんを慰めた。


「大丈夫だよ。なん?…いたたた」

「大丈夫じゃないよ!なんで自分で死のうとするんだよ!」

「だって、生きてどうするの?」

「とりあえず生きて!それから考えて!頼むから!」


首が痛い。


「お母さんに言わないで」

「言わない!!言わないから!死なないって言えよ!」


そんなこと言えない。

私は決意して、首を吊ったんじゃない。

気が付いたら、やっていた。


「これは止める…苦しいっていうより、痛いもん」


タケルくんは半狂乱だった。

「俺も…俺も正賢に行く!それならいいだろ!」


タケルくんの手を握った。

「分かった」
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