Bu-KIYOびんぼう ~幼なじみと不器用な約束~
来るだろうなと思ってたけど、やっぱり来た。


お祖母ちゃんが唖然とした顔で私を見つめている。

言葉も出ないという感じ。



「どうして…こんなことに」

胸に手をやりながら言った。



お父さんが眉をひそめて、うなずいた。

「ね…可哀想だろ…」



お母さんが言った。

「これでも大分回復したんです」

「回復なんて、そんな状態じゃないわ」

「そうだよね?僕は転院したら?って言ってるんだけど」


お祖母ちゃんが、お母さんに答えを促した。


「最近、ようやく危機を脱したところなんです。だけど、まだまだ油断できない状態ですから、私…」

「あなた、まだ塾をやってらっしゃるの?」

「いいえ。閉めました」



え…閉めた…?




「だったら、どこかへ転院させて、両親交代で見れば済む話じゃないですか」

「沙奈もいるのに、遠くなんてとても…!」

「それなのに、離婚だよ?とても現実的な考え方じゃないよ」
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