Bu-KIYOびんぼう ~幼なじみと不器用な約束~

ラテン系

中学3年生の2学期から、学校に帰ってきた。

自主退学を進められるところだったけど、休んでいる間に小笹先生のアドバイスで英検2級を取ったら、すんなり復学させてくれた。


タケルくんは笑って、

「さすが正賢!ゲンキンだなー」

「タケルくんも外部受けるって言った時は、かなり止められたんでしょう?お母さんが言ってたよ」

「ああ、授業料タダにするって言われたらしいよ」

「えええ~?うそー」

「母さんが『もったいない。ついでに正賢も通いなさい』って」

「あはははは~」

「でもあんまり先生がシツコイから『じゃあアタシでヨロシケレバ!』って言ったら、ようやく黙ったって」

笑いすぎて、お腹が空いてくる。



タケルくんは、第一志望の高校にちゃんと合格した。

超難関高なのに、すごい。

見馴れない学ラン姿に、ドキッとしてしまう。


「一学年下の子たちと勉強するなんて、一年前は考えてもみなかった」

「テニス部の後輩で、キヨと同じクラスのヤツがいるよ」

「どの子?」

「桜井ってやつ」

「ああ!知ってる。茶髪の元気な子だ~」

「そう。あいつ騒がしいよな」


桜井くんだけじゃない。

今度の学年は…何だかすごい…。
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