Bu-KIYOびんぼう ~幼なじみと不器用な約束~
ファーストフードで会った同級生たちを思い出した。

その前に、カラオケで腕を絡めていたテニス部の子…

テニスコートで応援してた他校の…


なんで、こんな昔のことまで!


でも…

タケルくん、カッコイイし、優しいし、アタマもいいし、運動も出来るし、


なにそれ…

パーフェクト?


どうしよう。


今の学校で他に好きな人ができて、

でもタケルくんは優しいから、私にそれを言えないんだったら…



「香田さん?」

と言われて、我に返った。


桜井くんだ。

テニスウェアを着てる。


懐かしい…。


「具合悪い?」

心配そうな顔で聞かれた。


慌てて首を振った。

「ごめん、大丈夫。すぐボンヤリしちゃうんだ」

「持ってあげる」

「え!本当に大丈夫だよ!」



だってこんな薄い書類…


それでも桜井くんは書類を持ってくれた。


「ありがとう。桜井くんは優しいよね」

「そう?」

「そうだよ。教育実習の先生がちょっと分かりにくい質問しても、桜井くんは一生懸命答えようとする…」
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