Bu-KIYOびんぼう ~幼なじみと不器用な約束~

手にしたもの

「堂々とカレシ面できるって最高」

満足そうにタケルくんが言った。


「桜井くんが可哀想なんだけど…」

「体育会系に良い顔してたらキリがない。矢倉がそうだった」

「…痛いのは嫌いって言ってたのに」



タケルくんが立ちどまった。

「いつもあんな感じで、しゃべってんの?」

「桜井くんは、特別…」


あれ?

この言い方、なんか変だな?


「特別って言った…?」

「違う違う!人懐っこいって意味だよ!」



タケルくんが私を見つめた。


「キヨ。何か他に言う事ない?」

「言う事?」

「何でここに俺がいるかとか」


ああ!!


「なんで来たの!?」

「電車、バス、及び徒歩」

「あ、ああああ~~そう」

「納得すんなよ」


だって、元々ここの生徒なんだから違和感がなかったんだよ…。
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