Bu-KIYOびんぼう ~幼なじみと不器用な約束~
タケルくんのいる3階に上がる途中で気が付いた。

さっきから何だかオカシイ。

恐れていたものが、見当たらないよ?


「なんで、男の子ばっかりなのかな?」


聖愛ちゃんが顔を上げ、小島ちゃんが立ち止まった。



「男子校だからね」

「うん。男子校だから」



…はい?



上からタケルくんが降りてきた。


「あ、来た~。これ、俺のカノジョ」

「自慢デスカ!」


別の男の子が、顔を出した。

「コンニチワ~~」

「こんにちは」

と愛想よく小島ちゃんが答える。



「入学して初めて、女子と話した…!」

「まぁ僕は、カメきゅんと毎日話しているがな」

「お前の女子の定義を教えてくれ」

「言ってやっても構わないが、見解に相違があることを先に断っておく」



…だまされた。
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