Bu-KIYOびんぼう ~幼なじみと不器用な約束~
仕方な…い…

だ、だけど…


とうとう喉がしゃくりあげ始めた。

強い力で、両肩を掴まれた。


この感覚…どこかで…


見上げると、タケルくんが切羽詰まったような顔で私を見つめていた。

「キヨ。本気出せる?」

「…ほ、ほんき」

「飛び級して、こっちの大学受けてほしい」


え…?

「キヨの本気が見たい。それに、離れて暮らすなんて出来ない」


飛び級…

進学…


肩に力が込められた。

「キヨなら絶対出来る」

その言葉に、体中の細胞が目を覚ました。


ーキヨの『ムリ』は、大体がムリじゃない!―

ー怖じ気づくな!ヤグがどれだけ頑張ってるか、その目で見るんだ!ー


涙がこぼれた。
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