Bu-KIYOびんぼう ~幼なじみと不器用な約束~
「やる」

声に出して言った。

タケルくんが私を抱き寄せた。

「できるよ」


みんな信じてくれてた。

私が信じていなかっただけ。

いつもこんなに近くに居てくれたのに。


「生きてて…良かった」



タケルくんの胸が大きくあえいだ。

「そう思ってくれる…?」


その胸のなかで、うなずいた。

「だから…自分で死んじゃ駄目なんだね」

髪が撫でられ、頭にタケルくんの頬が寄せられた。

「良かった…マジで」


暖かい。

生きてて、良かった…

< 214 / 216 >

この作品をシェア

pagetop