Bu-KIYOびんぼう ~幼なじみと不器用な約束~
「誰のせいだと思ってんの!?」

「部活いかねーの?」

「行くよ!」

「タケルは?」

「今日は、委員会があるから後から!」


ユリエちゃんが低い声で言った。

「なにジロジロ見てんの?」

「え…?ああ…」



顔、上げられない…。

早く行って…



そして、ウィンブルドンに…違った。その件はナシになったんだ…。




「今度の試合来たら?打ち上げも」

矢倉くんの口から、信じられない言葉が出た。

頭がフリーズした。


「来ない?」

「だ、だからね」

ユリエちゃんの口が回り出した。


「キヨの家は厳しいから、タケルに協力してもらいたいんだけど、タケルがね…」

「俺、頼んでもいいよ」

「タケルは、キヨ次第のところあるんだよね」



また会話が途切れた。

恐る恐る顔を上げた。



「試合、来て」


矢倉くんが私を見ていた。
< 22 / 216 >

この作品をシェア

pagetop