Bu-KIYOびんぼう ~幼なじみと不器用な約束~
「お前が行きたいならいいよ」

「ホント!?」

思わず顔を上げた。


タっくんが、言葉につまった。


し、しまった…

今の私の反応は、

散歩ヒモを見せられた時のチャイだ。


「打ち上げなんか行きたいか?」

「あ、試合から行く」

「マジで?けっこう長いぞ?」


そ、そうなんだ。

私はすぐ貧血になる。



「だけど、試合に出るわけじゃないし…」

「ユリエはたぶん決勝まで行くからな。ダブルスもあるし」


あ、あら。誤解されてる。

でも、どうしよう?

ううーん…正直に言うわけにはいかないし…


うううーーーーーーん…


本が頭にぶつかった。

「悩むなよ。ちゃんと水分と休憩取れよ」

「う、うん」

「お休み」

「お休みなさい…」
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