Bu-KIYOびんぼう ~幼なじみと不器用な約束~
「今年はね、力で押すプレーっていうのはもう止めてね、この柔軟性をいかしたショットをね…」

「す、ストップ!ストップ!」

「なに?」

「私、一人で男子の試合を見るの!?」

「そうだよ。いいでしょ、目立って」

「む~り~~っっ!」

「キヨの『ムリ』は大体がムリじゃない!ヤグも超がんばってるよ?そのカノジョになるアンタがムリムリ言っててどーすんの?」



か、カノジョ!?



「まだ、カノジョになんか…そんな!」

「いやいやいやぁ~~」



ユリエちゃんがニヤケる。


「あれは、キテルね!完全にキヨを女として見てる!」

「見てないよっ!」

「イケるとは思ってたんだよね。ヤグの付き合ったことないタイプだし、アイツが女子に試合見に来てっていうのも初めて聞いたしさ」



反論を考える前に、ユリエちゃんに肩をガシッと掴まれた。


すごい力!


「怖気づくな!どんだけヤグが頑張ってるか、その目で見るんだ!」


すてき…

ユリエちゃん、男の子だったら良かったのになぁ…
< 27 / 216 >

この作品をシェア

pagetop