Bu-KIYOびんぼう ~幼なじみと不器用な約束~
私は目で、お礼を言った。

女の子が「ふんっ」て顔で、試合の応援を再開した。


この中学に入って良かったと思うのは、こういう時。



校則は厳しいし、

制服は地味だし、

梨畑に囲まれた田舎の学校。


みんな普段は自分の学校をバカにしてる。


だけど、何かあった時は一致団結する。



私はスポーツがダメだけど、こうやって試合を見ると、うちの学校がスポーツで有名なのが本当に嬉しい。



誇りに思うって、感じる。



『世界一』じゃないけど、『自分一』だ。



ああ、だから。

だから、やっぱり私も何かするべきだ。


何でもいいから、やろう。


もう、考えるだけでウズウズしてきた。



決勝は、矢倉くんとタっくんの同校対決になって、矢倉くんが勝利した。

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