Bu-KIYOびんぼう ~幼なじみと不器用な約束~
確かに、なんて言葉を掛けたらいいか分からない。


だけど、ユリエちゃんがそんな状態なのに、一人で楽しむなんて出来ない。


「私も帰る」

「なんで?」

「ユリエちゃんがいないんじゃ…」


矢倉くんが、私の腕をつかんだ。

「帰るなよ」

「だけど…」

「俺のために来てくれたんじゃないの?」



矢倉くんの顔を見た。

まっすぐに私を見ている。



「あ、そ、そうなんだけど…」



きゃあああっっ!!

何で正直に答えちゃったの!?



「じゃあ居て。となり座って」


信じられないことを言われてる…


心臓が飛びだしそう。



「う、うん」



矢倉くんが、ほっとした顔をした。


「俺、頑張ったと思わない?」

「うん。すごく頑張ってた」

「絶対、負けたくないと思ったから」

「うん」



また『うん』しか言えない…



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