Bu-KIYOびんぼう ~幼なじみと不器用な約束~
見上げると、タっくんがそこに居た。


「あ、ごめんね」


タっくんが私を見つめている。



痛い…。

つかまれたままの腕が、痛い。


だけど、タっくんの表情が真剣すぎて言葉が出なかった。


怖いような気がした。


そんなはずないのに。



「ごめん…」


自分でも、なんで謝ったのか分からない。



「腕…あの」



急に腕が自由になった。



タっくんが、無言で店に入って行った。


騒がしい声が一瞬外に漏れて、またドアが閉まった。
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