Bu-KIYOびんぼう ~幼なじみと不器用な約束~
みんなが順々に歌ってゆく。


私も歌わせられるのかなぁ。

カラオケは苦手…。



大丈夫だった。



人数が多すぎて、私はみんなに合わせて口をパクパクさせていればいいだけだった。


良かった~。


矢倉くんと腕と腕がぶつかる。


矢倉くんの隣に座れるなんて、夢みたい。

ユリエちゃんに感謝だよ。


バッグの中のクッキーは、明日ユリエちゃんに上げよう。



だけど…まだ腕が痛い。



チラッとタっくんを見た。


歌ってない。

でも不機嫌そうにも見えない。


空いたグラスがあると、

「同じの飲む?」

と聞いてあげて、ドリンクバーに向かう。



しっかりしてるなぁ…。


女の子が、その腕にまとわりつく。

「私も手伝う~」

「こっち持って」


二人で部屋を出て行く。





< 44 / 216 >

この作品をシェア

pagetop