Bu-KIYOびんぼう ~幼なじみと不器用な約束~
楽しいことは沢山あるはずなのに、矢倉くんと一緒に居る時間には敵わない。



「キョコ」って聞こえる呼び方も

ふわっと肩にかかる腕も

見上げた時に見つけた、気恥ずかしそうな笑顔も、

私にしか見せない。


本当に大事にしたい。



「ユリエちゃんは?」

矢倉くんに聞いた。


「まだ練習してるよ。もう鬼だね」

「すごいなぁ」



でも気を使ってる感じもする。

私と矢倉くんを二人っきりにさせたいのかも?




「今度の休み、部活終わったらどこか行こうよ」


わあ!デートだ!


「ど、どこに?」

「まだ初詣行ってないから、行く?」

「行く!」

「着物、着てきて」

「ええ!?」



着れるけど…そんなの着たら、親になんて言えばいいのかな。

デートだって、分かっちゃわないかな?
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