Bu-KIYOびんぼう ~幼なじみと不器用な約束~
「本当に見てないから」

「うん」

私はすぐに、それをしまおうとした。




だけど…

こんな辛そうな顔させたくない。




スマホを出した。



「見せなくていいよ」

矢倉くんが言った。


「違うの」



今までのメアドの末尾に入っていた、誕生日を消して…何にも考えないで入力したら「shoken」だった。



すぐ、矢倉くんにカラメールを送った。


これでよし。



矢倉くんが顔を手で覆った。


「何、やらせてんだ俺…」

「電話番号はダメだけど…」



矢倉くんが、私を抱きしめた。


「絶対、キョコのこと大事にする」

「うん」



校内なのに、困っちゃうな…。


だけど、初めて『付き合ってる』実感が湧いてきた。
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