Bu-KIYOびんぼう ~幼なじみと不器用な約束~
メ、メンドクサイなんて、ひどいよぅ。

あんなに優しいのに…。


「だってさ、授業が終わるたびにイチイチさ…」


矢倉くんが入って来た。

「キョコ!」


聖愛ちゃんが苦い顔をした。

「ツンデレであって欲しかった…」

「やめなさいってアンタ!」

「そして、ヤグがタケに勉強を教わり、ほかにも色々教わり…イテッ!」



矢倉くんは、英語BC3のクラスだ。

教室は同じ並びだけど、端と端になる。

だけど、授業が終わると迎えに来てくれる。


「今日、ミーティングあるから遅くなるかもしれない」

と矢倉くんが言った。


「うん。図書室にいるから」

部活が終わるのを待って、学校の最寄り駅まで送ってもらうのが毎日続いている。

こんなに幸せでいいのかな?
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