Bu-KIYOびんぼう ~幼なじみと不器用な約束~
「アタマ疲れた~」

矢倉くんが首を回した。

無邪気で可愛い。


「キョコは疲れてないの?」

「私もこのクラスが終わると、何も考えられない」

「SP1だもんね」


それでも矢倉くんの顔を見ると、疲れが飛んで行っちゃう。


「あのクラス…」

矢倉くんが言いかけた。


「うん?」

「キョコは、やっぱ特進?」

「うーん…どうかなぁ」



高等科の特進クラスは、授業時間数も普通クラスよりずっと多い。

夏休みも集中講座があるので、予備校に頼っている子は敢えて入らない子もいる。


お母さんは、私が当然、特進に進むと思ってる気がする。

だって「高等科に行ったら塾は手伝えないわねぇ」って言ってるもん。


「そうしたら、キョコと同じクラスになるチャンスない」

「うーん…」
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