Bu-KIYOびんぼう ~幼なじみと不器用な約束~
そのまま小島ちゃんに連れられて、演劇部の練習場へ行った。

練習場は、テニスコートのすぐ横にある校舎の二階だった。


「こんにちは!」

「初めまして!」


先輩たちは、やたら発声がいい。


「初めまして…香田清子です…」

「あ、あの子か!」

「ヤグ様を落とした子!」


恥ずかしい…


小島ちゃんが、渋い顔をした。

「いじめないでください。ようやく見つけて、連れてきたんですから」

「羨ましいんだよ~。ヤグ様がカレシで、タケル氏が幼馴染って、最強じゃん!」

「男子、入って来ないしね~?」

「先輩たちが、ヅカばっかりやるからですっ」



大変な所に来てしまったのでは…?

どうしていいか分からなくなって、窓に目を向けた。




わあ…!

思った以上によく見える。

すぐ真下に、テニスコートが海のように広がっていた。



「ね!言ったでしょ?」



私はうれしくなって、うなずいた。
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