Bu-KIYOびんぼう ~幼なじみと不器用な約束~
矢倉直弘くんは、テニス部のエース。
硬式テニスがしたくて、この中学を受験したらしい。
入学式で、頭ひとつ分みんなより高いその姿に、目が離せなくなって、気がついたら好きになっていた。
年末の全国大会で優勝して、もはや有名選手。
手足が長くて、顔が小さい。
涼しげな顔立ち。
一見、冷たそう。だけど、笑うと可愛い。
そのギャップに、みんな恋に落ちる。
手の届かないはずの人なんだけど、同じくテニス部のユリエちゃんがいつも協力してくれる。
なのに、肝心のワタシが…私に協力してくれない…。
「アイシングは?」
と声がした。
声の主に言った。
「それほどじゃ…」
「あ、私持ってる!」
ユリエちゃんは立ち上がった。
そこまでは、いいよ!
と声に出す前に、もうユリエちゃんが目の前にいない。
ふう…
「ため息、なし」
私は、タっくんを見た。
「情けない顔だな」
「地顔です・・・」
硬式テニスがしたくて、この中学を受験したらしい。
入学式で、頭ひとつ分みんなより高いその姿に、目が離せなくなって、気がついたら好きになっていた。
年末の全国大会で優勝して、もはや有名選手。
手足が長くて、顔が小さい。
涼しげな顔立ち。
一見、冷たそう。だけど、笑うと可愛い。
そのギャップに、みんな恋に落ちる。
手の届かないはずの人なんだけど、同じくテニス部のユリエちゃんがいつも協力してくれる。
なのに、肝心のワタシが…私に協力してくれない…。
「アイシングは?」
と声がした。
声の主に言った。
「それほどじゃ…」
「あ、私持ってる!」
ユリエちゃんは立ち上がった。
そこまでは、いいよ!
と声に出す前に、もうユリエちゃんが目の前にいない。
ふう…
「ため息、なし」
私は、タっくんを見た。
「情けない顔だな」
「地顔です・・・」