Bu-KIYOびんぼう ~幼なじみと不器用な約束~
優しい矢倉くんに戻ってほしい。


いつもの明るくて、面白くて…



「帰れば?」


冷たい声が響いた。


「キョコがその程度しか俺のこと思ってないと思わなかった」



心が切り裂かれた。


涙、出そう。



自分の荷物をつかんで逃げるように、マンションを出た。



「う、うううっ…う…」


泣きながら歩く私に、周りの人が変な目で見ている。



駅に着いても

電車に乗っても

家に着いても


矢倉くんから、何の連絡もなかった。
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