Bu-KIYOびんぼう ~幼なじみと不器用な約束~
「腕見せて」

「平気」

「いいから」


腕を取られた。

タっくんの腕も矢倉くんに負けずに太い。



「なーにラブシーンやってんだよっ」

ユリエちゃんが戻ってきた。

私は慌てて、腕を引き離した。


な、なんてこと言うの。もう。


タッくんは、何の反応もしない。

そっと席を離れて行った。



「タケルも黒いね。キヨと並んでると、オセロみたい」

「タっくんがテニス部に入ると思わなかったなぁ」

「なんで?いいセンスしてるよ、アイツ。先生のお気に入りじゃん」


タっくんは、私の幼なじみ。

というより、隣の家に住んでいる。



タッくんは、お父さんの転勤で小学生の時に引っ越してきた。

男の子にしては乱暴じゃないから、すぐに仲良くなった。

ミステリー小説が好きで、よく貸してくれる。

3歳年上のお姉ちゃん、アカネちゃんも面白い人だ。
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