Bu-KIYOびんぼう ~幼なじみと不器用な約束~
タっくんが立ち上がった。


「錦志氷利の新作、読んだ?」

「う、うん。図書室で借りた」

「来月、また書下ろし出るよ」

「え!また!?」



二か月連続!

嬉しいけど、今度は借りられるかな?



「買ったら、貸すよ」

「ホント!?」



タっくんが、びっくりした顔してる。



あ、しまった。


また、やってしまった…。



ふっとタっくんが笑った。


「じゃあ、後でな」

「うん…」



チラッと矢倉くんのことを思い出した。



大丈夫かな…



なにが?


なにもかも。


もう、よく分からない。
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