Bu-KIYOびんぼう ~幼なじみと不器用な約束~
お昼になると、ユリエちゃんはすぐにバッグを持って、教室から出てゆく。

隣のクラスの子と食べてるみたい。


近くの席の子たちが、「一緒に食べよう」って誘ってくれた。

「演劇部、入ったんだって?」

「あ…辞めたの」

「もう!?」

「早いっ!」

「忙しくなってきちゃって」

「矢倉くんと付き合ってるんだもんね~」



言葉が出なくなった。


「カレシほしぃ~」

「私はせめて本命が欲しい。もうすぐバレンタインデーだよ。今年も義理チョコだけだぁ」

「そうだね。本気の恋愛したいよね」



そうだ。

もうすぐ、バレンタインデーだ。


どうしたらいいんだろう?


相変わらず、連絡が途絶えたままなのに。



「キヨちゃんは、手作り!?」

「え…」

「そりゃ手作りしかないっしょ~」

「手作りもらったら、絶対喜ぶね!」



喜ぶ?


仲直り…できる?

< 91 / 216 >

この作品をシェア

pagetop