Bu-KIYOびんぼう ~幼なじみと不器用な約束~
矢倉くんの教室に着いた。

ちょうどホームルームが終わるところだった。


挨拶が終わって、教室が騒がしくなる。

矢倉くんの姿も見えた。


胸がぎゅっとなる…。



矢倉くん、私に気づいてるかな?

友達としゃべってる。

でも部活があるんだから、その内に出てくるはず。



私に気が付いていないのかな…


体を移動させた。



矢倉くんの近くにいる子が言った。

「いるよ…?」


矢倉くんは目線を合わせないまま、

「ああ」

と、うなずいた。



気づいてるんだ…



泣きたくなった。



バッグを握りしめて、矢倉くんを待った。

動けなくなったっていう方が正しいかも。
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