Bu-KIYOびんぼう ~幼なじみと不器用な約束~
「わ、わわわ」


アカネちゃんが慌ててる。

頭を撫でてくれた。




「さ、寒いけど公園に行く?」


私はうなずいた。

涙が止まらなかった。


アカネちゃんが、公園まで誘導してくれた。

公園は、住宅街のある高台から階段を降りてすぐの場所にある。


アカネちゃんと並んで、ベンチに座った。


アカネちゃんは何も言わない。

ただ私が泣いているのを背中を撫でて慰めてくれた。


「キ、キス以上の…ことをす…されて…どうしても、ででできなくて…」

「うんうん」

「仲直りしたかったんだけど、どうしていいか分からなくて」

「うん」

「きょ、今日、チョコレートわ、渡しに行ったら『もう別に付き合ってる人がいる』…からって…」



アカネちゃんが、ずずっと鼻をすすった。



こんな寒い日に、申し訳ないな…


そう思って顔を上げたら、アカネちゃんも泣いていた。

< 97 / 216 >

この作品をシェア

pagetop