Bu-KIYOびんぼう ~幼なじみと不器用な約束~
「キヨちゃんは悪くないよ」


アカネちゃんが目を真っ赤にして言った。


「キヨちゃんは何も悪くないよ。一つも悪いところないよ」

「で、でも…好きなのに、できなかった…」

「そりゃそうでしょ」


アカネちゃんが袖口で涙をぬぐった。


「好きなだけで、みんなデキてたら、こんな少子化になってないでしょ」

「そ、そうなのかな…」

「そうだよ。好きなだけじゃできないよ。相手を信頼してないと」



信頼…



「わ、私、怖くなっちゃって…」

「ほら、それが信頼感がない証拠じゃん」



そうかもしれない。


でも、もう矢倉くんが自分のカレシじゃないなんて…


友達にも知り合いにも戻れない。


あんなに近くにいた人が、

あんたに好きだった人が、




明日からは、もう他人…
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