Bu-KIYOびんぼう ~幼なじみと不器用な約束~
膝の上の袋を見た。


「チョコ、どうしよう…」

「それは私が貰う!それは予行練習で作っただけなんだよ」



予行練習…?



「本番はまだ先。私に任せてくれれば、そのオトコの百倍は大事に食べるから!」



大事に…


誰より大事にしたい人だったのに。



あんなに優しくて、大事にしてくれてたのに。




私は矢倉くんを信頼できなかった…


自分が信じられない。



自分が一番、信頼できない。



裏切り者。

卑怯者。



こんなんじゃ、ダメだ。


もっと、ちゃんとしないと。




「キヨちゃん、やせた?」

とアカネちゃんが聞いた。


ぜんぜん…


私は首を横に振った。
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