真夏のサンタ
真夏のサンタ
サンタに海で出会った!!
僕は、恋人の響子といっしょに、海へ来ていた。付き合って初めての海!!開放的になった響子をみることができるかも……と、ちょっとした妄想をしてみる。
響子は、水着になるのを恥ずかしがった。そんなところが、とてもかわいい。
「だって、胸がないから、似合わないもの……」
そんなことを言っていたが、まんざらでもなさそうな顔で、かわいい水玉模様のついた、ちょっと清純なワンピースタイプの水着をまとった彼女は、愛らしかった。そして、いつになく、はしゃいでいる。
「海の家で、かき氷食べようよ」
響子の提案で、海の家に向かう。僕は、ちらっとヨコシマな視線を響子の胸元に送る。響子は気づいているのかいないのか、胸を張ってどうどうと歩いている。
か、かわいい……。胸だって、あるじゃないか。
僕のちょっと妄想がかった考えは、響子のちょっとした驚きの声で中断された。
「ね、ねえ……。あの人、アヤシイ」
響子が指さした先には、真っ赤な海パン(脇をひもで結ぶビキニタイプ)をはいて、白い長いひげを暑そうに、キャプテン・ジャ○ク・ス○ロウよろしく三つ編みに結んで垂れさがらせ、ちょっとたるんだお腹を気にしつつ、トロピカルジュースを飲んでいる老人だった。
あ、アヤシイ……。
異様な雰囲気だ。誰も近寄ろうとしない。僕たちも、目を合わせないように通り過ぎようとした。すると、老人が声をかけてきた。
「オー、かわいいお嬢さんとお若い方!!ちょっとお願いを聞いてもらえませんカ?」
お願い……なぜだ。こんなアヤシイ老人の願いなんて、ろくなものじゃない。僕は響子をかばいつつ、無視して通り過ぎようとした。
体が動かない!!
ふと老人を見ると、全力で「カメ○メ波」的構えで、「呪い」を送ってきていた!!
「ちょっと、やめてください!!僕たちじゃなくて、他の人に頼んだらいいでしょうが!!
「YOUたちじゃないとダメダメね~。運命だから」
どういう理屈だ!!とにかく老人の頼みを聞かないと、解放してもらえない。僕と響子はアイコンタクトで、お願いを聞くことにした。
「お願いって何ですか」
「実は、ワタシ、サンタクロースね~」
夏にも変態が沸くとは。僕と響子はげんなりした。だが、「自称サンタ」は、勢いよく話し出す。
「サンタの休暇は、真夏なのですヨ~。真冬に頑張ったご褒美ネ~。あ、南半球のサンタは今が一番忙しいけどネ~。疑ってる?じゃあ、今から雹を降らせるから」
すると、空が曇り出して、大粒の雹が降り出した!!こうなっては信じないわけにはいかない。雹の痛みに耐えつつ、僕は軽く謝って、尋ねた。サンタは、機嫌を直して、ようやく晴れた。
「それで、なんで、海なんですか……」
「日本の海は、憧れだったのですヨ~。ワタシは、こんがりキツネ色になるまで肌焼いて帰るネ~」
「勝手にしてください……で、早くお願いとやらを」
「実は、夏にだけ、サンタはプレゼントがもらえるのでス~。ボーナスですネ~。で、袋は持ってきているけれど、それを誰かに握っていてもらって、「誰かからもらう」形にしないと、ボーナスもらえないネ~」
「じゃあ、袋を持ってればいいんですね。早くしてください」
僕はぶっきらぼうに答えたが、「サンタ」にダメージはない!!むしろうきうきと袋をチェアの後ろから出してきた。
「お願いしまス。まず、お若い方から」
「僕は、袋を手にした。何も入っていないように軽いが、それも「サンタ」の袋ゆえか……。「サンタ」は、ほおを真っ赤にさせて、ハアハアと息を荒くする。変態にしか見えない。
響子は、水着になるのを恥ずかしがった。そんなところが、とてもかわいい。
「だって、胸がないから、似合わないもの……」
そんなことを言っていたが、まんざらでもなさそうな顔で、かわいい水玉模様のついた、ちょっと清純なワンピースタイプの水着をまとった彼女は、愛らしかった。そして、いつになく、はしゃいでいる。
「海の家で、かき氷食べようよ」
響子の提案で、海の家に向かう。僕は、ちらっとヨコシマな視線を響子の胸元に送る。響子は気づいているのかいないのか、胸を張ってどうどうと歩いている。
か、かわいい……。胸だって、あるじゃないか。
僕のちょっと妄想がかった考えは、響子のちょっとした驚きの声で中断された。
「ね、ねえ……。あの人、アヤシイ」
響子が指さした先には、真っ赤な海パン(脇をひもで結ぶビキニタイプ)をはいて、白い長いひげを暑そうに、キャプテン・ジャ○ク・ス○ロウよろしく三つ編みに結んで垂れさがらせ、ちょっとたるんだお腹を気にしつつ、トロピカルジュースを飲んでいる老人だった。
あ、アヤシイ……。
異様な雰囲気だ。誰も近寄ろうとしない。僕たちも、目を合わせないように通り過ぎようとした。すると、老人が声をかけてきた。
「オー、かわいいお嬢さんとお若い方!!ちょっとお願いを聞いてもらえませんカ?」
お願い……なぜだ。こんなアヤシイ老人の願いなんて、ろくなものじゃない。僕は響子をかばいつつ、無視して通り過ぎようとした。
体が動かない!!
ふと老人を見ると、全力で「カメ○メ波」的構えで、「呪い」を送ってきていた!!
「ちょっと、やめてください!!僕たちじゃなくて、他の人に頼んだらいいでしょうが!!
「YOUたちじゃないとダメダメね~。運命だから」
どういう理屈だ!!とにかく老人の頼みを聞かないと、解放してもらえない。僕と響子はアイコンタクトで、お願いを聞くことにした。
「お願いって何ですか」
「実は、ワタシ、サンタクロースね~」
夏にも変態が沸くとは。僕と響子はげんなりした。だが、「自称サンタ」は、勢いよく話し出す。
「サンタの休暇は、真夏なのですヨ~。真冬に頑張ったご褒美ネ~。あ、南半球のサンタは今が一番忙しいけどネ~。疑ってる?じゃあ、今から雹を降らせるから」
すると、空が曇り出して、大粒の雹が降り出した!!こうなっては信じないわけにはいかない。雹の痛みに耐えつつ、僕は軽く謝って、尋ねた。サンタは、機嫌を直して、ようやく晴れた。
「それで、なんで、海なんですか……」
「日本の海は、憧れだったのですヨ~。ワタシは、こんがりキツネ色になるまで肌焼いて帰るネ~」
「勝手にしてください……で、早くお願いとやらを」
「実は、夏にだけ、サンタはプレゼントがもらえるのでス~。ボーナスですネ~。で、袋は持ってきているけれど、それを誰かに握っていてもらって、「誰かからもらう」形にしないと、ボーナスもらえないネ~」
「じゃあ、袋を持ってればいいんですね。早くしてください」
僕はぶっきらぼうに答えたが、「サンタ」にダメージはない!!むしろうきうきと袋をチェアの後ろから出してきた。
「お願いしまス。まず、お若い方から」
「僕は、袋を手にした。何も入っていないように軽いが、それも「サンタ」の袋ゆえか……。「サンタ」は、ほおを真っ赤にさせて、ハアハアと息を荒くする。変態にしか見えない。
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