魔王スサノオ降臨

Ⅱ、最後の1人


どうですか、ご自分のこと、お分かりになりましたか?
えっ、でも、ちょっと、直ぐに理解できたかと言われても。
そうでしょうね、信じられないことばかりですものね。

あの・・・もし、私がそんなことできませんと言えば、どうなるのですか?
そうですね、我々神と仏は全力で戦います。
しかし、スサノオの闘争力は半端なものでないので、勝てるかどうか。
もし勝てても、大きなダメージを受けることは間違いないでしょう。
そうした時、魔族の攻撃を受ければ、天界も魔族に支配されます。
つまりは、人間界・天界共に魔界に変わってしまう。
どちらにしても、終焉を迎えることになりますね。

ならば、もし私が闘っても勝てなければ・・・
全ての神々と全ての御仏が全力で翔子様を加護します。
もちろん、闘いの地に赴き、闘いをするのは、翔子様1人です。
御自分で状況を把握し、行動しなくてはなりません。
敵は八岐大蛇(ヤマタノオロチ)だけではありません。
翔子様の存在を影が知ったら、全力で阻止しようとしてくるでしょう。
場合によっては、大蛇(オロチ)が取り憑(ツ)いた独裁者にその周囲の人達。
翔子様の周囲全てが敵になることでしょう。
その間は、とても孤独だと思います。
絶望的になることもあると思います。
しかし、私達は見ています。
そして、皆ができる限りの助力を惜しみません。
全世界の人間そして神々、御仏の運命がかかっているのです。
えっ、周囲の全てが敵に・・・
この私に、一体何ができるのですか?
翔子様はご自分の本当の力が、まだわかっていないだけです。
五百井(イオイ)一族、陰陽師(オンミョウジ)の役に付くものは、計り知れない力を持っているのです。
なんせ、あのスサノオを魔界に追いやり、封印の鎖を作るほどの一族なんですよ。
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